チェリッシュxxx 第6章のオマケ


このお話はチェリッシュxxx第6章のオマケです。 なので 第6章の後に読んで下さい。
なお・・・
このお話は、完全R指定となっておりますので、15歳未満の方、性的描写に嫌悪感を抱く方は閲覧禁止です。



「・・・あら? 珍しい。 もう寝るの?」
9時になり、消灯のために看護士が見回りにやってきた。
オレは胸まで布団を被った格好で、
「うん」
「いつもはメールばっかりやってて、寝なさいって言ってもなかなか寝ないのに」
「そーだっけ?」
この病院の消灯時間は9時だ。
っつっても、小学生じゃあるまいし、本当にそんな時間に眠れるわけがない。
いつもは、テレビやDVDを観ているか、ちょうど結衣がオレの病院から家に帰り着くぐらいの時間だったから、結衣とメールをやり取りしている事が多い(冬休みに入り予備校の講義が日中に変わってから、結衣は予備校が終わると毎日のようにオレの病院に通ってきてくれていた)。
だから、珍しく消灯時間にちゃんとベッドに入っているオレに、看護士は相当驚いているようだった。
「そーよ! どーせ彼女にラブラブなメールでも送ってんでしょーけど・・・・・って、どうしたの? 寒いの?」
看護士がちょっとだけ眉間にしわを寄せる。
「え?」
「そんなに布団被っちゃって・・・」
いつもは毛布くらいしか掛けないオレが、厚手の掛け布団まで全部掛けていたから驚いたようだ。
膝立てたオレの足元で、身をすくめているのが分かる。
「あ、あ〜・・・」
オレがテキトーな言い訳を探していたら、
「寒気でもするの? もっと布団持ってきてあげようか?」
と看護士が慌てて布団を取りに戻ろうとする。
「やっ、大丈夫! これだけでっ!!」
「・・・そう?」
「うん」
つか、さっさと出てってくれよっ!!
「じゃ、なんかあったらナースコールしてね」
「ん」
その後、看護士は足元のオヤジのベッドを覗いてから電気を消すと、やっと病室から出て行ってくれた。
しばらくそのままの体勢で、もう看護士が戻ってこないことを確認してから、
「―――――――――行ったよ?」
布団をめくって小さく声を掛ける。「結衣?」
オレの足の間に小さくなって(って、もともと小さいけど)身を隠していた結衣が、そーっと出て来た。


オレは電車に弾かれて、2週間ほど前からこの三橋病院に入院していた。
ちょっと色々あって、普通科の2年とホームで揉めているときだった。
「ッ!? 結衣ッ!!」
そう叫びながら結衣に駆け寄って行ったのは覚えている。
目の前に黄色い電車が迫ってきたのも覚えている。
―――でも、その先の記憶は全くなかった。
「運が良かったんだよ? 元々電車が減速してたってのもあるし、接触したのが車両の側面だったからホーム側に倒れることが出来たのもラッキーだったし。 ・・・もし、もっと勢いがついてて車両の正面にぶつかってたら、線路側に落ちて・・・キミ死んでたよ」
あとで医者にそう教えてもらった。
「ホントに良かった・・・」
そう言って、結衣は何度も溜息をついた。
結衣はオレの怪我に責任を感じていて、受験生だっていうのに毎日見舞いに来てくれていた。
「あたし、陸がいなかったら生きていけないよ」
「オレだって・・・ 結衣置いて死ぬわけねーじゃん!」
そう言って結衣の手を握り見つめ合った。
「結衣・・・」
と言いながら唇を近づけたら、結衣が目を閉じてくれる。
そのまま結衣の柔らかい唇にキスしようとしたら・・・
「ぅおっほん!」
オレの足元のベッドに寝ているオヤジが咳払いをした。
「えっ、え〜〜〜っと! なんかのど渇いちゃったねっ?」
結衣が慌ててオレから離れる。
〜〜〜〜〜〜オヤジッ!! 邪魔すんなよっ!!!
オレが入ってる部屋は4人部屋だ。
でもその内の2人は、オレが入院している間に順番に退院していった。
今残っているのはオレと、オレの足元のベッドにいるオヤジだけだ。
オヤジはオレとほぼ同じ時期にこの部屋に入ってきたみたいだ。
詳しくは知らないけど、膝の裏にゼリー状の腫瘍が出来たとか何とかで手術を受け、膝に包帯を巻いている。
そのせいで、一日の殆どをベッドの上で過ごしている。
だから、結衣が来て こんな感じにいい雰囲気になっても、そこから先になかなか進まなかった。
結衣は毎日来てくれてるっていうのに、キス出来んのだって、3日に1回くらいだし・・・
それも、オヤジが便所に行ってる隙とか、売店に行ってる隙とかに慌しく・・・・・・
個室に移動したくても、
「はぁ? 個室? ・・・って、差額ベッド代いくらかかると思ってんのよ?」
って、母親はそれをさせてくんねーし・・・・・
もうすぐ退院だっつーけど・・・・・
そんなの待ってらんねーよ。


「え?」
「だから・・・ 帰んないで?」
いつものように、面会終了時間になりコートを着ようとした結衣の腕をつかんだ。
「だって・・・ もう面会時間・・・」
結衣が戸惑う。「・・・・・明日、また来るから・・・」
「明日じゃやだ」
「陸・・・・・ どうしたの?」
「どーもしないよ。 ・・・もっと結衣と一緒にいたいだけ」
「だけど、面会時間はもう・・・ あ、んっ!」
たまたま足元のオヤジがいなかったのをいいことに、結衣の腕を引き寄せて唇を合わせた。
「ちょ、陸!? ・・・んっ!」
逃げようとする結衣の頭を抱え込んで、何度も唇を食んだ。
「や・・・だ・・・ んっ」
「・・・やだ、じゃない」
かわいい唇を割って、素早く舌を差し入れようとしたら、
「ま、待ってっ!」
結衣が慌てて身体を離す。「見つかったら・・・」
「大丈夫だって・・・ オヤジもいないし・・・」
「で、でも・・・ すぐ戻ってくるよ・・・」
結衣は足元の 主がいないベッドを心配そうに振り返る。
「・・・・・カーテン閉めて?」
「カーテンって・・・ だから、ダメだってば」
オレはちょっと早口で、
「いーから閉めてっ! ・・・あっ!オヤジが戻ってきた!!」
「えっ!?」
「もう面会時間過ぎてるし・・・ 見つかったら面倒だし、早くっ!!」
と脅かす。
「え? ちょ・・・?」
「面会時間過ぎてんのに見舞い客帰さなかったら、オレが怒られちゃうからっ!」
「えっ!? そ、そーなのっ!?」
「うん! そうそう!!」
オレがテキトーなことを言ったら、結衣はそれを信じたみたいで、慌ててカーテンを閉めてくれた。 
オレはさらに調子にのって、
「早く早く! 靴脱いでそっち隠して!!」
「え? 靴って、あの・・・」
「いーから! そんでこっち来てっ!」
とめくった布団の中に強引に結衣を引き入れた。
仰向けになったオレの腹の上に結衣を抱きかかえる。
「り、陸・・・・・?」
「へへっ ・・・・・捕まえた」
至近距離で結衣を見つめる。
「〜〜〜もうっ! ・・・騙したの?」
結衣がオレを軽く睨む。
「騙してないよ。 見つかったら、ヤバイし・・・」
そう言いながら、結衣に唇を寄せた。「・・・だから、静かにしてよーね?」
「でも・・・・・ ンンッ」
まだ心配する結衣の唇を塞ぐ。
はじめは焦っていた結衣も、深いキスを繰り返しているうち抵抗するのをやめてくれた。
久しぶりに抱く、結衣の小さい身体。
嬉しくて、愛しくて、折れてない左腕で結衣を強く抱きしめならが、何度も唇を食んだ・・・

そのまま消灯時間まで無理矢理結衣を引きとめた。
看護士が病室を出て行った後、そろりと布団から顔を出した結衣は、
「・・・・・ねぇ? やっぱり帰るよ」
とまだ心配そうな顔をしている。
「なんで?」
「だって・・・ もし見つかったら・・・・・」
「見つかんなかったじゃん」
「そーだけど・・・・・」
「んじゃキスだけっ! それ以上はしないからっ!」
「だけど・・・・・ ンッ!」
渋る結衣を抱き寄せてまた唇を合わせる。
「や・・・っ ま、待って? り・・・ ンンッ」
待ったよ・・・
身体は順調に回復してて、オレとしてはすぐにでも結衣を抱きたい勢いだったのに、
「ケガに障るからダメッ!」
って結衣が言うから待った。
じゃ、せめてキスだけでも、と思ったら、
「だってオジサンいるし・・・ 看護婦さんだっていつ来るか分からないし・・・」
って、それだって思うように出来ねーし!
今まで散々待ってきたよ。
・・・・・つか、もう待てねぇ。 いい加減、我慢の限界だよ!
逃げようとする結衣の頭を抱え込んで、何度も口付ける。
「んッ・・・ あ・・・ 陸・・・」
「結衣・・・・・」
首筋に唇を這わせようとしたら、
「ちょ・・・ キ、キスだけって・・・」
と結衣がオレの頬に手を当てる。
「し――・・・ 聞こえるよ」
結衣の抗議を無視して耳元でそう囁いたあと、その耳を甘噛みしてやる。
「やんっ!」
「それ以上ごちゃごちゃ言ったら・・・ もっと声が出るようなことしちゃうよ?」
「え、えぇっ!?」
「もう、いい加減観念しなさい・・・」
そう言ってまた口付けた。
柔らかく甘い結衣の唇を何度も舐めて吸う。
「ん・・・ んっ!」
「結衣・・・」
オレ達のキスが起こす水音と、結衣の鼻にかかった押さえたような声と、自分が結衣を呼ぶ掠れた声が布団の中で官能的に響く。
急速に体温が上昇してくる。
結衣のブラウスの裾から左手を差し入れ、背中を指先で撫で上げた。
「ぁんっ!」
結衣の身体が小さく震える。
「し―――っ! ・・・声、ヤバいって・・・」
と言いつつブラジャーのホックを外し、そのまま手を前に回して結衣の胸に触る。
「は・・・・・っ ぁ、んっ!!」
結衣が短く息を吸い込む。 息と一緒に声を飲み込む。
いつも、足元のオヤジは消灯時間直後にイビキをかいて寝てしまう。
今日も規則正しいイビキが聞こえているから、もう熟睡しているはずだ。
けど、あんまり大きい声を出されたら、さすがのオヤジにも気付かれるかもしれない。
なのに、結衣の胸をやわやわと揉み上げて、
「・・・結衣のおっぱい、柔らかくて気持ちいっ♪」
「や、やだ・・・ ンッ!」
と余計に結衣を鳴かせたくなってしまう。
腹の上に抱いていた結衣を横におろして、お互い向かい合うように布団に横になる。
「結衣・・・ 好きだよ・・・」
「り、陸・・・ んっ」
口付けながらブラウスのボタンを外す。
ホントはブラジャーごとブラウスを脱がせたかったけど、右手が上手く使えないせいで全部脱がすことが出来ない。
ブラウスの袖を通したままブラジャーをずらし、現れた結衣の可愛い胸に唇を落とす。
「あっんっ!」
結衣の身体が仰け反る。
ちょっとだけ唇を離して、小声で囁く。
「声・・・・・」
「だ、だって・・・ ぁ、は・・・んっ!」
声を出すな、と言っておきながら、結衣の胸の先を転がすように舐めつくすオレ。
「ぁ・・・・・ ぃゃ・・・ ん・・・ん・・・ ぁ・・・ぁあッ!」
普段の濡れた声もカワイイけど、今日みたいに必死で喘ぐのを抑えている結衣の声も・・・・・
たまらなく、いいっ!
どこかから微かに入ってくる明かりで、結衣の苦しそうな切なそうな顔が、官能的に照らし出される。
―――――ヤベ・・・ もっと鳴かせたくなってきた。
「ん・・・ ん・・・っ」
浅い呼吸でオレが与える刺激から逃れようとする結衣。
その結衣の腰の辺りに手を滑らせる。 指先でスカートをたくし上げてショーツの上からそっとソコを撫でる。
「あんっ!」
という声を上げて結衣の身体が震える。 すぐに結衣がオレの手を押さえてきた。
「そ、それは・・・・・ ダメだよ・・・ んっ!」
オレは結衣の耳元に唇を寄せて、
「ダメじゃないでしょ? 濡・れ・て・るっ♪」
「やんっ!」
「結衣・・・・・・ っつッ!」
結衣の上に覆い被さろうとして体勢を変えたら、折れた右腕に変に体重がかかった。
思わず顔を歪める。
「り、陸っ!? 大丈夫っ!?」
「・・・・・・大丈夫」
・・・じゃない。
打撲していた右足も、縫い合わせた頭の傷も、医者に驚かれるくらいのスピードで回復していたけど、骨折していた右腕はまだ固定されたままだった。
「やっぱり、ダメだよ・・・ ケガに障る・・・」
「や・・・ 大丈夫だよ」
と言いつつ、左手だけで自分の身体を支えるのには限界がある。
っつーか、左手しか使えないから、それで身体を支えてると結衣の身体に思うように触れない。
でも、こんな最高のシチュエーションを逃すなんて、もったいねぇ!
・・・・・とりあえず、結衣のショーツに手をかける。
「でも・・・・・ って、えっ!? り、陸っ!?」
「大丈夫だから・・・ ちょ、足・・・」
途中まで下ろしたショーツが結衣の膝にかかって止まる。「足、抜いて」
「だ、だって・・・」
「いーから早く! この体勢、腕痛い!」
「えっ!?」
「ちょ、早く早くっ!」
「えっ? えっ!?」
オレが急き立てたら、戸惑いながらも結衣がショーツから足を抜いてくれた。
―――なんて結衣は、素直で単純で・・・ 可愛いんだろう。
右腕に体重がかからないように気を付けながら、再び結衣の胸に唇を落とす。
「あ、んっ!」
震えながら、また胸の先が固く立ち上がってくる。 それを舌先で弾くようにしながら何度も舐め上げた。
「んっ ぁあ・・・ や・・・んっ!」
オレの頭を強く抱きかかえる結衣。 その胸の先に歯を立てる。
「いやんっ!」
思わず漏れた結衣の声の大きさに驚く。
左肘で身体を支えるようにして、慌てて結衣の口に手を当てた。
「ンッ!!」
「結衣・・・ 声、デケーって・・・」
「ご・・・ ごめん・・・」
「我慢してね?」
なんて・・・ 誰が声デカくさせてんだって・・・・・
白々しいオレ。
でも、止める気はなくて。
また結衣の胸の先を舐める。
「・・・・・ぁ・・・ ふっ、ンッ!」
結衣はゆるゆると首を振りながら、快感を逃そうとしている。
そこに逃しきれない刺激を送り込んでやる。
「ンッ! あ、やっぁ・・・!!」
固く立ち上がったその根元の辺りに軽く噛みつき、そのまま舌先でその先端をくすぐるように舐めた。
「あっ・・・ も、やめ・・・っ ンンッ!!」
結衣が眉を寄せて、オレのシャツを皮膚ごと強く握りしめる。
我慢する女がこんなに官能的だって、オレは結衣で初めて知った。
今まで付き合ってきた女はみんな、感じたことをそのまま表に出すタイプだった。
「や、あぁんっ! 気持ち、いいっ! 陸ぅ・・・ あっ!!」
「おま・・・ 声、デケーよ。 バレんだろ」
「だ、だって、陸が・・・ ああっ、ダメっ! イク・・・ あっ、イッちゃうっ!!」
なんて・・・ ホテルだったらまだいいけど、学校でもどこでも大声で喘ぐ女が多かった。
不感症なんかよりは全然いーけど、AV並みによがられると・・・ 逆に引くっつーか・・・
だから、セックスのたびに本気で恥ずかしがったり、オレが送り込む刺激を我慢しようとする結衣は新鮮だったし、余計にそそられた。
「結衣・・・・・」
胸から唇を離し、結衣と視線を合わせた。 結衣も潤んだ瞳をオレに向けている。
「は・・・ はぁ・・・ り、く・・・」
早く浅い呼吸を繰り返す結衣の唇を指先で撫でる。
柔らかく可愛い結衣の唇。
「・・・陸・・・・・・?」
その唇から、ちょっと掠れた声がオレの名前を呼ぶ。
思わず、唇を撫でていた指先をその中に滑り込ませた。
「ンッ!? ふっ、ぅ・・・ッ!」
一瞬驚いて結衣が目をつぶる。そのあとゆっくり開かれ、またオレを見上げる。
ちょっとだけ寄せられた眉。 潤んで微かに揺れる瞳。
微かな明かりに照らし出された結衣のそんな表情が、オレをたまらない気分にさせる。
結衣の口内を探るように、滑り込ませた人差し指をゆっくり動かした。
「ん・・・ ん・・・」
眉を寄せたまま、また結衣が目をつぶる。
そのまま唇を胸の先に戻した。
「ンンッ!」
左の人差し指に軽く痛みが走る。 結衣が慌てて立てた歯を戻す。
「いーよ・・・ 噛んでも」
結衣が首を振る。
さらに中指も差し入れて、
「声・・・出そーになったら、オレの指噛んでいーよ」
「ンッ、ンンッ!!」
差し入れた2本の指の動きから逃げようとする結衣の舌。
いつも舌でそうするように、指先で上顎をくすぐった。
「う、ンッ!」
指の動きはそのままに、また結衣の胸の先に舌を這わせる。
「は・・・ぁ・・・ んっ!」
結衣の背中が反る。 そのせいで突き出された胸を、左右交互に何度も舐め上げる。
「んっ んん〜〜〜っ!」
オレが結衣の胸の先を吸うたびに、結衣の口内に差し入れた指に心地よい痛みが走る。
オレの指に痛みが走るたびに、結衣がそれだけ感じてるんだと思ったら、嬉しくなってきた。
場所も忘れ、夢中になって結衣の胸に吸い付いた。
「んっ! ふ、ぅ・・・ッ!」
結衣の胸から舌を離さずに、結衣の表情を窺い・・・・・ 心臓が大きく脈打つ。
相変わらず苦しそうに寄せられた眉。
微かに震える伏せた睫毛。
苦しそうな、ちょっと切なそうなそんな顔で、オレの指を咥える結衣の可愛い唇。
その唇の端から、唾液が零れているのが見えて・・・・・
たまらなく煽情的な光景・・・・・
瞬時に脳内コンピュータが、オレの指を別なモノに変換する。
―――――あ・・・ ダメ。
その変換のせいで、急激に下半身が反応する。
今まで結衣にそんなことさせたことないから、その変換した映像が余計にオレを煽る。
さらに、結衣が擦り合わせる膝がときどきオレの下半身に当たって・・・・・・暴走しそうな刺激を送ってくる。
・・・・・どうしよう。
まさか、マジでこんなとこまで来るとは思わなかった。
いや、ちょっと・・・ つか、かなり期待してたとこはあったけど・・・
でも、繋がってる間、左手だけで自分の体重支えきれっかな・・・ オレ・・・
「―――――ちょ、結衣。こっち・・・」
オレはちょっとだけ考えたあと、また結衣を腹の上に抱いて自分が下になるような体勢になった。
枕元にあるリモコンで少しベッドの上体を起こす。そのままオレも身体を起こした。
結衣がオレの腿の上に跨る格好になった。
息を弾ませながら結衣がオレを見つめる。
「・・・り、陸・・・・・? ―――あ・・・あぁんっ!」
下肢の付け根に指を這わせた。 ・・・・・信じられないくらい濡れている。
「好きだ・・・」
唇を耳元に寄せて吐息を流し込む。 そのまま首筋に唇を這わせた。
「んっ あ・・・っ!」
結衣が顔を伏せてオレのシャツを強く掴む。
結衣の喉の奥から漏れる 押さえたような声と、オレが指を動かすたびに起こる水音が、オレ達を官能的な空気で包み込む。
溢れる雫を絡ませ、指先を手前の方に滑らせる。 固く充血した芽に指先が触れた。
「―――ッ! ひゃっ!!」
一瞬大きく結衣の身体が震える。
そのままそこを執拗に擦り上げたら、
「ッ! ぁ・・・〜〜〜ッ!!」
声にならない嬌声を上げて、結衣が白い喉を仰け反らせた。
そこに噛み付くように口付ける。
結衣がまた声を殺して、鳴く。
も・・・・・ ホントにダメだ。
―――マジで今すぐ繋がりたいっ!!
結衣のそこから指を離し、ベッド横の棚の引き出しに入れておいたウォレットをソッコーで取り出す。
濡れたままの指先で、そこからゴムを取り出した。
・・・・・良かった。 入れといて・・・
自分の準備の良さを自分で褒めつつ、スウェットと下着をずらすように下ろす。
「り、陸・・・・・」
結衣が息を弾ませながら、潤んだ瞳でオレを見つめる。 オレも結衣を見つめたままゴムの封を噛み切った。
「ほ・・・ ホントに、するの?」
「する」
「で、でも・・・ ここ病院・・・・・ ンッ!」
結衣に口付けながら、手際良く装着!
ホントにオレ、両手利きで良かった・・・・・
ちょっとだけ唇を離す。 鼻先が触れそうな超至近距離。
「・・・・・結衣が入れて?」
とオレがお願いしたら、
「え・・・?」
一瞬、何のことか分からない、といった顔をしたあと、「・・・えぇっ!?」
結衣が大きく目を見開いて驚く。
今まで正常位しかしたことないから、結衣が驚くのも無理ない。
けど、片手で正常位は厳しいから、結衣に上に乗ってもらうしかない。
オレは、ソコに導くように結衣の腰を抱き寄せながら、
「そのまま腰下ろして・・・」
「む、無理だよぉ〜」
「大丈夫だから」
「だって・・・」
結衣はいつまでもモジモジしている。
〜〜〜説得するのももどかしいっ!
オレは結衣の手をオレの下半身に持ってきて、
「マジで下ろしてくれって! もう、こんなんなってんだよっ!?」
「ッ!?」
爆発寸前のソレに触れ、結衣が驚いて手を引っ込める。
「・・・分かってくれた?」
結衣が顔を赤くしてやっと肯いてくれた。
「・・・・・痛かったら・・・ 止めても、いい?」
ソッコーで首を縦に振る。 ―――止めるかどうかは別として。
自分で手を添え、結衣の中に入りやすい角度にソレを入り口付近に当てる。
「・・・・・そのまま腰下ろして・・・」
「ん・・・」
「力抜いて・・・ そう・・・」
結衣がオレの肩に手をついて、ゆっくり腰を下ろす。
「・・・・・はっ、ぁ!」
「いいよ。 入ってる・・・」
少しずつ、結衣の中にオレのモノが収まっていく。 抗い難い快感が、じわじわと這い上がってくる。
〜〜〜〜〜〜ッ!!
―――あまりの気持ち良さに、頭イカれてしまいそう・・・・・
「全部入っ・・・ ―――ぅ、あっ!」
・・・・・久しぶりの刺激に変な声が出てしまった。
慌てて結衣の背中を指先で撫で上げながら、首筋に舌を這わせた。
「んっ!」
うっ!
オレがちょっと結衣を刺激すると、結衣の中が締まる。
そのせいで、どんどんオレの下半身に血液が集中する。
ヤバイ・・・・・
このままじゃ何もしないうちに・・・・・ 果ててしまいそう・・・
「結衣・・・ う、動くよ?」
結衣の返事も聞かないまま、左手で結衣を支えるようにして腰を動かした。
「あんっ! あぁ・・・・・ ンッ!」
仰け反って声を漏らす結衣の唇を慌てて塞ぐ。
「んっ、んん〜〜〜ッ!!」
結衣の腕をオレの首に回させ、それで身体を支えさせる。 そうしてから結衣を支えていた左手を前に回して、結衣の胸を掬うように揉む。
―――ああ・・・ 右手が欲しい。
「あ・・・ん・・・ ふっ!」
漏れそうになる結衣の声をキスで飲み込む。
腰を動かしながら、胸の先を摘んだ。
「ん、んんっ!」
結衣の中が締まる。
あ・・・・・ 気持ちいい・・・
今度は、押しつぶすように胸の先に指を立てる。
「ん、ん―――ッ!!」
また締まる。
・・・・・サイコーに気持ちいいっ!!
さらに、そのまま指先を動かしたら、
「ン―――・・・っ! あ、はんっ!」
また結衣が仰け反った。 唇が離れて声が漏れる。
慌てて胸から手を離し、また結衣の頭を抱きかかえて口付けた。
あ〜〜〜っ! 片手が使えないって、なんて不自由なんだっ!!
「・・・んっ! んんっ!!」
そのとき、結衣の腰が微かに揺れていることに気が付いた。
オレも相当限界だけど、もしかして・・・・・
―――結衣ももうイクのか・・・?
いいよ、結衣。
・・・・・一緒にイこ?
「―――ッ!? んっ! ん〜〜〜っ!!」
突き上げるようにして腰を動かした。
それに合わせて結衣の身体が、髪が・・・・・ 胸が揺れる。
口付けたままだから結衣の声も聞けないし、近すぎて表情も分からない。
もうすぐイキそうだってのは分かるけど、声や表情からそのタイミングが計れない。
一緒にイケるのがベストだけど、万が一オレの方が先にイッてしまったら・・・
―――いや、そんなことは絶対避けたい。
けど・・・ オレも、マジでヤバイ・・・ かも・・・・・ッ!!
結衣の足に力が入り、膝でオレの腰を強く挟み込んできた。 微かに動いていた腰の動きも早くなってきている。
・・・・・・イクのか?
つか・・・・・
もう、一緒じゃなくてもいいから、先イッてくれっ!
じゃないと、オレの方が・・・ もう・・・・・ 持たねぇっ!!!
祈るような思いで腰を動かしていたら、
「・・・・・ッつ!?」
下唇に激痛が走った。
思わずイキそうになり焦った直後、今度は結衣の中が引き絞られるように大きく蠢いた。
結衣の膝がものすごい力でオレの腰を挟み込む。
「ん―――・・・ッ!」
声にならない声を上げて・・・・・ 結衣はイッたみたいだ。
規則正しく収縮する結衣の中と、その結衣の腰の動きがぴったりと連動している。
その連動したふたつの動きが、オレから全てのものを搾り取る。
「う・・・ あ、はぁ、はぁ・・・」
呼吸が苦しくなり、唇を離した。
心臓が爆発しそうな勢いで脈打っている。 
最初に結衣の中が大きく蠢いた瞬間に・・・・・ オレもイってしまった・・・
―――良かった・・・ 一緒にイケて・・・・・
思い切り結衣を抱きしめる。 結衣もまだ荒い息のまま、
「り、く・・・・・」
とオレの背中に腕を回して、強く抱きしめてくれた・・・・・


オレは電車に弾かれて、生死の境をさまよった。
でも、全然そのときの記憶がなかったから、目が覚めたときも感動とか感慨とか・・・・・ そんなのが全くなかった。
けど、柔らかい結衣の身体を抱いて。
その結衣に抱きしめてもらって。
そんで、一緒にイケて・・・・・

―――マジで、生きててよかった・・・・・

このとき、初めてそう思った。



「にーちゃん! ちょっと売店行って豆乳買ってきてくれ!」
ベッドに寝転がってテレビを見ていたら、足元のオヤジが声をかけてきた。
「・・・またっすか〜〜〜?」
思わずうんざりした声を上げる。
ここ2〜3日、足元のオヤジと言葉を交わすことが増えてきた。
つっても、
「悪い。新聞買ってきてくれ」
とか、
「この食器も一緒に下げてくれるか?」
とか、
「あ、松葉杖が倒れた。 ちょ、拾ってくれ」
とか・・・・・ 完全にパシリ状態だ。
しかも、今日は朝からもう4回目だぞ? いーかげんにしてくれよなぁ・・・
オレがベッドに寝転がったまま、
「オレも一応、怪我して入院してんすよね〜・・・」
と言ったら、
「陸ぅ〜〜〜♪」
とニヤニヤ笑いながら、自分の身体を抱くようにしてオヤジがベッドの上で身を捩った。
「〜〜〜〜〜ッ! 分かりましたよッ!!」
乱暴にイヤホンを外して起き上がる。
完全に脅迫だよな・・・・・ くそ、オヤジッ!!
でも、オヤジには弱みを握られているから、仕方なく言うことを聞いている。
―――あの、結衣を抱いた翌朝から。

「おはよう、今野くん! 検温の時間よ?」
という看護士の声で目が覚めた。
病院の朝は早い。 6時には朝の検温が始まる。
ありえない早さだ・・・
それでも、ちゃんと消灯時間に寝ていれば、起きられる時間なんだけど・・・・・
夕べは寝るのが遅かったし、久しぶりに運動(セックスも立派な運動だろ?)もしたし・・・
チョー眠い・・・
オレが返事もしないで渡された体温計を受け取ったら、
「・・・やっぱり夕べ良く眠れなかったの?」
と看護士がちょっとだけ眉を寄せた。
「・・・え? なんで?」
「や、今隣の検温で聞いたんだけど・・・ 夕べ隣の部屋の人がトイレに起きたとき、この部屋の前を通ったら、苦しそうな呻き声が聞こえたって言うから・・・」
「呻き声―――・・・・・ッ!?」
一気に目が覚めた。
呻き声って・・・・・だよな?
・・・・・まさか、夕べのアレを誰かに聞かれるとは思わなかった。
やっぱり、調子に乗って 結衣を鳴かせすぎたらしい・・・
「夜中に巡回したときは今野くんぐっすり眠ってたみたいだから気が付かなかったけど・・・ やっぱり、具合悪かったの?」
「いや・・・」
寝起きのせいで、テキトーな言い訳が思いつかない。
「今度はちゃんとナースコールしてね? 遠慮なんかしないで」
「うん・・・」
夕べのアレを聞いたヤツも、看護士も、まさか病院内でオレ達がヤッていたことまでは気付かなかったようだ。
ホッと胸を撫で下ろす。
看護士はオレの体温と脈拍をクリップボードに書き込みながら、
「それ・・・ どうしたの?」
と再びオレの顔を覗き込んできた。
「ん?」
「唇、切れてるわよ? 血がついてる」
「え?」
言われて唇を左手でこする。 乾いた小さな血液の欠片が落ちてきた。
「乾燥してるから切れたのかも。 あとでリップクリーム持ってきてあげる」
看護士はそのまま足元のベッドに移動して行った。「鈴木さ〜ん。検温の時間ですよ〜」
手の平の上の小さな欠片に視線を落とす。
夕べ・・・・・ 結衣がイク直前、オレの下唇に激痛が走ったことを思い出した。
―――オレに唇を塞がれて声が出せなかった結衣は、登りつめる瞬間 思わずオレの唇を噛んでしまったようだ。
そんなことにも、今気が付いた。
あのあと・・・ 結衣が落ち着いて帰った後、久しぶりのセックスに満足したオレは、唇の痛みも忘れて爆睡してしまった。
それにしても・・・ あ〜〜〜 マジ気持ち良かったな〜・・・
―――夕べのことを思い出し、思わず顔がニヤける。
場所が病院だったってのもそそられた原因の一つだけど。
あの結衣の必死に声を押さえた感じ・・・・・ あれがチョー良かったよな。
あと、結衣が上になってくれたのも初めてで・・・ コーフンしたな〜・・・
またやってくれっかな? つか、やってもらいてぇ。
・・・・・そだ。
退院したあとも、
「ちょ、腕が痛いから上んなって?」
って言えば、乗ってくれるかも・・・・・♪
なんて楽しいことを想像していたら、足元のベッドに移動して行った看護士が、
「あら? 鈴木さんも寝不足?」
というのが聞こえた。
「いやぁ〜・・・」
オヤジは看護士に脈をとられながら、「にーちゃんの寝言がうるさくて」
と、チラリとオレの方を流し見た。
「え?」
寝言って・・・・・ え・・・? ・・・・・まさかだろっ!?
驚いてオヤジを見返す。 オヤジはちょっと笑いながら、
「相当激しい寝言言ってたぞ? にーちゃん」
「そーなの?」
看護士もオレを振り返る。
オヤジが人差し指と中指の間に親指を挟み込んで、看護士に気付かれないようにオレに右手を突き出して見せた。
―――――完全にバレてたらしい・・・
〜〜〜だって、オヤジ、イビキかいてたろ? 寝てたんじゃねーのかよっ!?
「あはは・・・・・ 言ってました? オレ、寝言?」
「はははっ! 言ってた言ってた!」
「あはは・・・ マジで?」
「はははっ! マジでマジで!! つーか、若いっていいなぁ。羨ましいよ!」
「あはは・・・ そっすか? あはは・・・」
「え? 若くなくたって寝言くらい言うでしょ?」
看護士が一人首を捻る。
・・・・・・それからだ。 パシリが始まったのは。
あ〜〜〜・・・ 早く退院してぇ・・・
明日の検査の結果が良ければ、週末には退院できるって医者は言ってたけど・・・
クソ・・・ッ 死ね、オヤジっ!!
腹の中で悪態をつきながら部屋を出ようとしたら、
「・・・陸?」
と結衣がやって来た。
「結衣!」
思わずムッとしていた顔がほころぶ。
「どーしたの? 早いじゃん」
普段結衣が来る時間より、今日は1時間くらい早い。
「ん。 先生の都合で最後の授業が明後日にズレたから。 ・・・まずかった?」
「んなワケないじゃんっ! チョー嬉しいよっ!!」
と結衣を抱きしめて唇を近づけたら、
「ダメッ!」
と結衣がオレの口に手を当ててオレの顔を押し返した。
「・・・・・・そーゆーのは、退院してからっ!」
「えぇ〜〜〜〜っ!? なんでっ!?」
「この前もキスだけって言ったのに・・・ 陸、ウソついた!」
・・・・・そりゃ、確かに、
「んじゃキスだけ! それ以上はしないからっ!!」
って言いながら・・・ 結局最後までヤッちゃったけど・・・・・
「だから、もうぜーったい退院までしない!」
マジでっ!? マジでキスもダメなのっ!?
いや、オレが悪いんだからしょーがねーのかも知んねーけど・・・
「・・・・・じゃ、退院したらさせてくれんの?」
「・・・退院したら、ね」
結衣が首をかしげる。
くそ・・・ 退院したら死ぬほどキスしてやる。
・・・いや、キスだけじゃねぇ。 一日中、何回でも抱いてやる。 
そんで、絶対上に乗らせてやる・・・・・
あ―――っ! 早く退院してぇっ!!
オレの腹ん中なんか知る由もない結衣は、自分のカバンの中を探りながら、
「そだ。 ナイトミュージアム借りてきたけど、見る?」
「えっ!? レンタルしてきてくれたのっ?」
思わずテンションが上がる。
「うん」
結衣と、
「DVD出たら観たいね」
と言っていた映画だ。 母親にも頼んでたんだけど、
「ダメダメ! 新作だから全部レンタル中!」
とずっとレンタル出来ないでいた。
退院してからか・・・・・と思っていたから、スゲー嬉しい。
しかも、DVDプレーヤーの画面が小さいせいで、結衣とくっつけるし・・・
「キスは退院してからっ!」
って結衣は言ってたけど・・・ 流れ次第で・・・・・♪
―――楽しい妄想が膨らむ。
「じゃ、早く観よっ!」
いそいそとベッドに戻り、DVDをプレイヤーにセットしていたら、
「おい! 豆乳は?」
と足元のオヤジがまた声を掛けてきた。
―――――忘れてた。
「・・・? なに? 豆乳って?」
結衣が首をかしげながらオレの顔を覗き込む。


あ〜〜〜っ!!
マジで早く退院してぇよ―――――ッ!!
チェリッシュの目次