ハッピーバースデー 陸 〜その3〜

・・・よぉ。


たび重なるオレの不運を哀れんで、またメッセージくれたんだろ?

・・・サンキューな。 マジで。

ま、くれてない子も、オレを慰めよーとしてボタンを押してくれたんだろ?



「ストロベリー on the 結衣」がダメで、「学ラン結衣」もダメなんて・・・

かなり落ち込むよ。

しかも、リアルに想像したあとだったから、余計だよ・・・_| ̄|O|||


いや、本来 用があんのは、その中身だよ?

けどさ、プレゼントってラッピング外すのも楽しみの1つだろ?

オレはそれも楽しみたかっただけなんだよ・・・

結衣のケーキはウマかったし嬉しーけどさ〜・・・



「・・・陸・・・? なにやってるの?」



オレがいつまでも自分の部屋でうなだれていたら、また結衣が声をかけてきた。

落ち込んだままリビングに戻ったら、結衣の姿がない。

・・・どうやら、まだキッチンにいるみたいだ。



「結衣?」

「え、えっと・・・ あ!さ、探し物は見付かった?」



顔は見せずに、声だけで返事をする結衣。

なんだよ・・・

まだ、鶴ごっこか?



「イヤ・・・それは、もーいーや。 つかさ、マジでハタ織りでもしてんの?」

「え? ハタ織り?」



訝しげに聞き返す結衣。



「いや、なんでもね。 ・・・で、なにやってんの?」

「な、なにって・・・」

「オレ、そっち行ってもいいの?」

「えっ!? い、いい・・・ような・・・ 良くないような・・・」







「つか、行くよ?」

「えっ!!」



この際、ラッピングはどうでもいいや。

早く結衣を抱きしめたい。

結衣の返事を待たずにキッチンへ。



「結衣? なにやって―――・・・ え、えぇっ!?」



目の前の光景に、思わず目を見開く。






「ち・・・ 違うのっ違うのっ! 陸の誕生日プレゼント何がいいかな〜って考えてたんだけどっ」



結衣!



「何がいいのか全然思いつかなくてっ!?」



結衣っ!



「で、前に陸が・・・ が、学ランとかっ? 言ってたの思い出してっ?」



結衣っ!!



「ホントは祐樹に借りようかと思ったんだけど、何に使うのかって聞かれたら恥ずかしかったから・・・ だから、あたしが中学のときに来てたヤツで・・・・・・ って、きゃっ!?」



我慢が出来なくて、目の前の結衣にダイブ!!



「やっ!? ちょ、ちょっと陸っ?」

「プレゼントでしょ? オレにくれるんでしょ?」

「そ、そーだけどっ」

「じゃ、何してもいいんだよね? 今日は」

「んっ! あっ、いやんっ!!」




やっぱ、今日はサイコーの日だ!!





「・・・そんなにすぐ脱がしちゃったら、着た意味なくない?」


ハッピーバースデー陸♪



以上は、7月7日の陸の誕生日を祝って、WEB拍手にて行われた企画です。
2日間だけだったのですが、1000件以上の拍手を頂きました。
ありがとうございました。
陸も喜んでいます。
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