@ 付き合ってるの?


「ったく・・・ 何やってたの? お前・・・」
メグがプリントの束を手にして、呆れた目線をあたしに向ける。
「・・・・・ごめんなさい」
言い訳のしようがなくて、黙って俯くあたし・・・
「ちゃんと計画立てといたよな?」
「はい・・・」
「その通り順調に進んでたよな?」
「はい・・・」
「じゃ、なんで―――・・・ッ」
メグのそのセリフの先は溜息に変わった。「・・・オレが合宿行ってる間、何やってたの? お前」
え・・・ それは、えっと・・・
ショッピング行ったり、レンタルビデオ借りてきて見たり、楽しみにしていたコミックが発売になったからそれ読んだり・・・ あとは寝てたり・・・・・
でも、正直に言ったら余計怒られるだけなのは分かってるから、黙っている。

今、怒られて小さくなっているあたしの名前は、市川真由。総武高校の2年生。
そして、そんな小さくなっているあたしを呆れた顔で見下ろすのは、お隣さんで、幼なじみで、クラスメイトで・・・・・で、あたしの彼氏でもある千葉恵。
あたしが 元気だけが取り得の平凡女子に対して、メグは背は高いし、勉強は出来るし(1学期の期末は結局2位だった! スゴ過ぎッ!!)、バスケ部の部長やってるくらい運動も出来るし・・・ 彼女のあたしが言うのもなんだけど、超が付くほどカッコいい。
こんなカッコいいメグと、平凡女子のあたしが付き合ってるってみんなが知ったら絶対驚かれるに決まってる。
ううん、驚く前に信じられないかもしれない。
実際、
「信じられないんだけどっ? ホントなのっ!?」
ってチハルに連発されたし・・・
小学校の頃、つまんないことから絶交していたあたしたちは、4年振りにクラスメイトになってもお互い他人のフリをしていた。
だから、クラスの・・・だけじゃなくて学校中の誰も、親友の恭子さえあたしとメグがお隣同士の幼なじみだっていうことは知らない。
そのあとイロイロあって仲直りして、で、カレカノの関係になっても学校では、
「千葉くん」
「市川さん」
なんて呼び合ってた。
それをちょっと不満に思うこともあったけど、最初に他人のフリをしていたのに、急に、
「あたしたち家が隣同士の幼なじみなの。ついでに付き合ってるから!」
なんて宣言するのも恥ずかしかったから、なんとなくそのまま内緒にする形になっていた。
ところが、あたしの誕生日にメグが、数人のクラスメイトの前で、
「オレの女」
発言をしたせいで・・・・・・
―――本当に大変だった。
メグはさっきも言ったようにカッコいいから、当然のように女子に人気がある。
それでさっきの、
「信じられないんだけどっ? ホントなのっ!?」
を連発されたってワケ。
はぁ・・・ パーフェクトな彼氏を持つと苦労するよね・・・
「おいっ!」
「あいたっ!」
ボサッとそんなことを考えていたら、おでこに鋭い痛みが走った。 ・・・・・メグのデコピンは殺傷能力が高い・・・
「何ボ〜ッとしてんだよッ! 手伝ってやんねーぞッ!?」
メグは、持っていたプリントの束をあたしの目の前に放り投げてきた。
ホチキス止めされた20枚近くあるプリント・・・ 夏休みの・・・リーダーの宿題・・・
―――あたしは、夏休みの宿題が終わっていなくてメグに怒られているところだった。
メグはあたしの家庭教師でもある。
だから、いつもだったら夏休みの終わり頃まで手を付けないでいる宿題も、
「ちゃんと計画立ててやること! じゃねーと遊んでやんねぇ」
とメグに言われていて、あたしにしては珍しく進んでいる方だった。
でもお盆が過ぎた頃、メグはバスケ部の合宿やおじいちゃんちに里帰りをするために10日ほど留守にした。
「あとはリーダーの訳だけだし・・・ 自分で出来るよな?」
「うん! ちゃんとやっとく!」
なんて豪語したくせに、メグがいなくなった途端いつものサボり癖が出ちゃって・・・
「ヤバイ・・・ 明日メグが帰ってくる・・・」
って、昨日の夜から慌ててやりだしたけど、結局3分の1も進んでない・・・
「メグがやった訳、写さしてよ」
なんて頼んだら、絶対怒られる。 デコピンどころじゃすまないお仕置きされるに決まってる・・・
「・・・・・とりあえずやって。 ヒドすぎる訳のとこだけ直してやるから」
「はい・・・」
メグは怒るのを通り越して、呆れている感じ・・・
こんな夏休み最終日に、宿題を目の前にして怒られてるのって、ちびまるこか、サザエさんのカツオか、あたしくらいだよね・・・ 情けない・・・
・・・・・でも、終わるのかな? これ、今日中に・・・

「終わった――――――ッ!!」
英文のプリントとノートを目の前に掲げる。
「お疲れ」
「ありがとねっ。メグっ!!」
一時はどうなることかと思った宿題も、なんとか無事上がった。
「なんかお腹すいたよね」
「・・・もう3時になるぞ」
「マジでッ!?」
宿題を始めたのは午前中。お昼も食べないでやってたなんて・・・
「お母さ〜ん、お腹すいたんだけど〜・・・って、あれ?」
リビングに行ったらお母さんの姿がない。
どこか行ったのかな・・・ 買い物とか・・・
と思っていたら、ダイニングテーブルの上にサンドイッチとメモが置いてあるのが目に入った。
『真由へ
お友達と約束があるのでちょっと出かけてきます。夕ご飯までには帰る予定です。
サンドイッチを作っておいたのでお昼に食べて下さい。
それから・・・
くれぐれもメグちゃんによろしく言って置くように!
高校生にもなって夏休みの宿題を最終日までやってないなんて、お母さん恥ずかしくて死にそうです』
メグがあたしの家庭教師をしてくれているのは、ウチのお母さんがメグの頭の良さを買って頼み込んだから。
だから、あたしがメグから出されたノルマをこなしてないとか、宿題を溜め込んで結局メグに迷惑をかける・・・なんてことをすると、
「もうっ! お母さんが頼み込んだんだからね。あんまり恥かかせないでよっ!?」
とお母さんは焦ってしまう。
・・・・・ゴメンね、お母さん。でも、なんとか終わりました。
「メグ〜。サンドイッチ食べる〜? お母さん作っといてくれたみたい」
「ん」
オレンジジュースと一緒にトレイに乗せて部屋に運ぶ。
「あれ? おばさんは?」
いつもはお母さんが、
「メグちゃん、いつも悪いわね〜」
なんて言いながらお茶を運んでくる。
「なんかね、友達と約束があったみたいで出かけちゃってた。夕ご飯には帰るとかメモが残ってた」
「・・・そーなんだ」
はぁ・・・ 主婦っていいよね。
そりゃ毎日洗濯とか掃除とか食事の用意とか大変そうではあるけど、こうやってお友達とお茶しに行ったり出来るし、結構時間自由に使えるもんね。
何より、宿題ないし・・・
あたしも結婚したら専業主婦になろう。
洗濯と掃除はなんとかなりそうだけど、問題はお料理だよね。
あたし、カレーとか炒飯くらいしか作れないし・・・ 高2の女子がそれってどうなんだろう・・・
絶対メグの方が料理も上手そう。
でも、働いてきたダンナさんに夕食の支度までさせるのはありえないよね・・・・・
って・・・・・・
なに考えてんのッ!? あたしッ!!
もうメグと結婚する気でいるワケ――――――ッ!!
思わず想像してしまったことに1人で焦っていたら、
「じゃ、食べてもいい?」
とメグがあたしからトレイを取り上げ机の上に乗せる。
「え? ・・・あ、ゴメンゴメン! どうぞ」
また妄想モードに入っちゃってたよ・・・
なんであたしって、いつもこうなんだろ・・・
「もうお昼じゃなくて、おやつの時間だよね・・・・・ って、えっ!?」
あたしがサンドイッチに手を伸ばそうとしたら、その手をメグが掴んできた。
「メグ? ・・・ンッ!」
え?と思ってメグを見上げようとしたら、メグがいきなり唇を合わせてきた!
「メ、メグ・・・ うわっ! ・・・んっ!」
驚いて後ずさろうとしたら、キャスター付きの椅子が転がってバランスを崩しそうになった。
そのバランスを崩しかけたあたしの腰を抱き寄せるようにして、またメグがキスの雨を降り注ぐ。
「ちょ・・・ メグッ!?」
なんとか唇を離してメグを見上げる。「な、なに・・・? 急に・・・」
サンドイッチ食べるんじゃなかったの?
「今、食っていいかって聞いたら、お前いいよっつったじゃん」
「えっ!? それ、サンドイッチのことじゃ・・・・・ って、え、えぇっ!?」
言いながら、メグが言った意味を理解してきて、驚くのと同時に顔が熱くなってきた。
「も、もしかして・・・?」
「うん」
「い、今・・・?」
「うん」
そ、そんな甘い瞳で誘ってこないでよっ!
「だって・・・ そだっ! お母さんいつ帰ってくるか分かんないしっ!」
その瞳に吸い込まれる前に慌てて顔を背ける。
「帰るの夜だって言ってたじゃん」
「そ、そーだけど・・・ ン!」
背けた顔をすぐに戻され、またさらうようなキス。
「・・・ダメなの?」
あたしの唇を軽く食みながら、その合間にメグが低く尋ねてくる。
「え・・・」
「したくないの?」
瞳と同じくらい、甘い甘いメグの声。
「や・・・ したくないとかじゃ、なくて・・・」
そんな甘い目で、甘い声で誘われたら・・・ 思わず肯いてしまいそう・・・・・
「・・・10日も会えなくて寂しくなかった?」
メグの唇があたしの耳元に滑ってくる。
「んっ・・・」
「・・・キス、したくならなかった?」
「し、したかった・・・よ・・・ んっ!」
メグの甘い声と一緒に溜息まで流し込まれて、すぐにあたしの身体が痺れる。
「オレも・・・」
そう言いながら、メグがあたしのシャツの裾から手を差し入れる。
「え・・・・・ あっ」
あっという間にブラのホックを外されて、そのままベッドに押し倒された。
「メ、メグ・・・ ホントに・・・する、の・・・?」
メグがあたしの顔の横に両手をついてあたしを見下ろす。
ダメだ・・・ 何回体験しても、この体勢は・・・・・ドキドキする。
メグはまたあたしの耳元に唇を寄せて、
「する。・・・つか、したい」
「ひゃっ、あんっ!」
耳たぶを軽く噛んだあと、生暖かく濡れたものがあたしの耳の中に差し入れられた!
驚いて、戸惑って、恥ずかしがっている間に、メグの大きな手があたしの胸に・・・・・っ!!
「んっ・・・!」
その手が、指先が、あたしの身体から力を抜いてしまう。
「やっだ・・・ あぁんっ!」
優しく、でもときどき激しくあたしを苛むメグの唇が、また甘美な世界にあたしを手招く。
―――あたしは、今まで知らなかった世界をメグに教えられてしまった。
「・・・・・なんか、ホントにするの?って言ってた割りに・・・ 結構準備OKだった?」
あたしの下着を剥ぎながら、メグがとんでもないことを言う!!
「なっ、なに言ってんのっ!? んなコトあるわけないじゃんっ!!」
「だって・・・」
「・・・あ、あぁんっ!」
メグの指があたしを啼かせる。
「・・・やっぱ、すごい」
メグがあたしと視線を合わせてソフトに笑う。
その顔がなんだか勝者の顔に見えて・・・
メグが憎らしいくらい余裕なのに対して、あたしだけが追い詰められてる気がして・・・・・
恥ずかしさと悔しさが襲ってきた。
「も、もうっ! メグのせいだからっ!」
「は?」
メグがあたしを見下ろす。
「あたしそんな気なかったしっ! だから絶対メグのせいっ!!」
「・・・・・こんなんなってるのが?」
あたしを啼かせた指先を確認するメグ。
「そ、そーだよっ! メグのエロが伝染った!!」
だ、だってあたし、ホントに全然そんな気なかったしっ!
そりゃあ、メグに会えなかった間、
「キスしたいな・・・」
くらいは思ったことあったけど・・・
でも、それだけだしっ! それ以上したいとか、全然思わなかったんだからねっ!
「クックッ・・・」
「な、なによ・・・」
メグが小さく笑いを漏らした。
またなんか、バカにしようとしてるんでしょっ!?
とあたしが構えたら、
「それ、サイコーの褒め言葉だろ?」
と言いながら、メグがあたしの胸に唇を寄せてきた!
「は? 褒め言葉・・・って・・・ あ、いやんっ!」
―――今まで知らなかった・・・
「あ、メグ・・・っ! ちょ、ちょっと待っ・・・ あんっ!」
―――でも、一度知ってしまったらとても魅力的で・・・
「あ、はぁっ! んんっ!」
―――その誘いに断れる人なんか絶対いないっていう甘い世界に・・・
あたしはあっという間に連れて行かれてしまった・・・・・

メグとは誕生日を境に、何回か・・・エッチしてる。
初めの頃は、すごく痛くて、
「もう、しばらくしたくないっ!」
って言ってたんだけど、口が上手いメグに、
「数学と一緒で、慣れなんだよ。 だから回数こなさないと」
なんて言われて・・・
夏休み中、何回したんだろ?
初めの頃こそ数えてたけど、今じゃその回数も忘れてしまった。
・・・・・こんなんじゃ、メグのエロが伝染るわけだ・・・

「まだ続いてるんだ?」
2学期になった早々、チハルやミドリの尋問が始まった。
「え・・・ 一応・・・」
あたしが遠慮気味にそう言ったら、二人はあからさまに面白くなさそうな顔をした。
2人はあたしに彼氏がいることは知っていたけど、なぜかその相手を津田沼だと思っていた。
津田沼っていうのはあたしと同じ写真部の部長で、人はいいんだけど、背は低いし、成績はあたし並みだし、運動はまるっきりだし、電波系オタクだし・・・でおよそ女子にモテるタイプじゃない。
だから、
「あたしたちにオトコがいないのに、なんで真由に?って思ったけど〜。津田沼なら許す!」
とか言われてたんだよね。
それって、津田沼にもあたしにも、相当シツレーなんですけどっ!?
「真由の妄想とか、勘違いってコトはないのか?」
ミドリがさらにシツレーなことを言う。
「・・・ないよ。 っていうかさ、あたしが言っても信じられないんだからメ・・・じゃなくて、千葉くんに聞いてよっ!」
一応、付き合ってるってことはメグの、「オレの女発言」のせいでバレちゃってるけど、お隣同士の幼なじみだってことまでは話してない。だからいまだに教室では千葉くんって呼んでる。
っていうかさ・・・
彼氏が出来たときに友達からされる質問って、こんな感じじゃなくない?
実際、学校イチのモテ男の涼と付き合い始めた恭子には、
「え〜、どっちから告ったの〜?」
とか、
「涼って優しい〜?」
とか、
「なんて呼び合ってんの〜?」
なんて質問だったじゃん?
なのにあたしには、
「ねぇ? 嘘でしょっ!?」
から始まって、
「どうやって落としたのっ!?」
って、あたしから告ったことに決め付けられてて、
「今まで全っ然そんな素振りなかったじゃんっ! なんかの間違いじゃないのっ!?」
って、やっぱり疑われてて、挙句の果てには、
「・・・・・なんか千葉の弱味でも握ってんのかっ!?」
って・・・・・ミドリなんか、まるであたしが脅しつけてメグに無理矢理付き合わせてると思い込んでるし・・・
「千葉くんにも聞いたよ」
「なんて言ってた?」
あたしがそう聞いたらチハルは、
「さぁ?・・・とか言ってた」
えっ!?
「どっちから告ったのって聞いても笑って誤魔化してるだけだし・・・」
え・・・ えぇっ!?
だって、メグ、自分からみんなの前で、
「オレの女」
って言ったんじゃん!?
「っていうか、付き合ってるの?って聞いたときですら、さあ?って言ってたよ?」
・・・ちょっと、メグ――――――ッ!?
「だからあたしたちもイマイチ信じられないんだよね〜」
「な〜」
チハルとミドリが顔を見合わせる。
なになにっ!? どういうことっ!?
「市川さ〜ん」
あたしが戸惑っていたら、津田沼がやってきた。「ちょっと修旅の写真のことなんだけどさ〜」
ミドリが小声で、
「・・・ホラ、彼氏が来たぞ?」
「だから、津田沼じゃないってっ!」
あたしの彼氏はメグなんだよっ!
あたしがムキになって言い返しても、ミドリとチハルは薄ら笑いを浮かべて自席に戻って行ってしまった。
「文化祭で販売する修旅の写真なんだけど、2年は僕たち2人しかいないし、どうやって撮るの分担する?」
あたしたち写真部は、3週間後にある修学旅行で写真を撮ることになっている。
それはそのあと行われる文化祭で販売するためだ。
写真部は部員も少ない分部費も少なくて、文化祭で販売する写真の売り上げが貴重な活動資金になっている。
他の行事は部員全員でテキトーに分担して撮るんだけど、修旅は2年生だけだからあたしと津田沼の2人で撮らなければならない。
普段はチョー幽霊部員のあたしも、このときばかりは働かないとならない。
「・・・どうでもいいよ。津田沼に任せる」
って、そんなことより、今はメグのことだよ・・・
「付き合ってるのって聞いたら、さぁ?とか笑ってるだけだったよ」
ってチハル言ってたけど・・・ どういうことっ!?
メグが自分からみんなの前でバラしたんだよねっ!?
それを今さらなんで誤魔化してるのっ!?
「全部で8クラスあるし、1組から4組と5組から8組に分けて撮ろうか?」
あたしはあの発言のあと、ミドリたちに聞かれたときに、うんって言っちゃってるんだよ?
メグもちゃんと答えてくれないと、あたしが恥かくじゃんっ!!
「で、4組は船橋くんも千葉くんもいるし結構な売り上げが見込めるから、僕が前半クラス担当していい? 市川さんは5組からってことで」
どういうつもりなんだろう・・・・・ メグ・・・
「あ!別に稲毛さんが3組にいるから、それで前半クラス担当したいとかそんなんじゃないからねっ!?」
もしかしてメグ・・・・・ ホントは内緒にしておきたかった・・・とか?
あのときは、つい勢いで、
「オレの女」
なんて言っちゃったけど、ホントは後悔してる?
あたしが彼女だってみんなに知られるのが恥ずかしいとか・・・・・
ありうる・・・
あたし、パーフェクトなメグと違って、平凡女子だし。
メグより、津田沼の方がお似合いとか思われてるし・・・
「稲毛さんは船橋くんと付き合ってるし・・・ 2人お似合いだし・・・」
目の前の津田沼がうな垂れる。
あたしとメグじゃ、涼と恭子みたいにつり合い取れてないのかも・・・
いや、かもじゃなくて、絶対取れてない・・・
もしかして、5年のときのメグもこんな気持ちだったのかな・・・
それでメグは頑張って、今のパーフェクトなメグになってくれたんだよね・・・
―――・・・・・・
・・・あたしも頑張ってみようかな。
メグみたいにパーフェクトには今さらなれないけど。
少しでもメグにつり合うようなイイ女になれるように。
「真由と? 付き合ってるよ」
ってメグが言えるような彼女になれるように。
よーしっ! 頑張るぞ〜〜〜っ!!
「・・・? あの〜・・・? 市川さん? 聞いてる?」
津田沼が訝しげな顔を向けてきた。あたしはその津田沼の肩に手をかけて、
「あたしも頑張るから、津田沼も頑張んな! 恭子はもう涼と付き合ってるからダメだけど・・・ あんただって根は悪くないんだから、磨けばなんとかなるよっ!」
津田沼が眉間のしわを深くする。
「あの・・・ 何の話?」

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