チェリッシュxxx 第5章のオマケ

リベンジ

このお話はチェリッシュxxx第5章のオマケです。 なので 第5章の後に読んで下さい。
なお・・・
このお話は、完全R指定となっておりますので、15歳未満の方、性的描写に嫌悪感を抱く方は閲覧禁止です。
以上のことをふまえた上で・・・ あとはご自由にお楽しみ下さい。



「・・・まだ?」
オレは自分の部屋のドアにもたれかかったまま、室内に声をかけた。けれど、中から・・・結衣からの返事はない。
浴衣着るのって、そんなに時間かかるのか?
そういや、帯とか? メンドくさそーだよな・・・
オレが着てくれっつったんだけど・・・
「あのさ、結衣? 大体でいいよ?」
オレが焦れながら軽くノックをしたら、
「・・・・・・り、陸?」
とドアが細く開き、中から結衣が顔を覗かせた。「い、一応・・・着たよ?」
恥ずかしさに頬を染めている結衣の顔を見たら、体中の血管が大きく脈打った。
ドアに手をかけ、瞬時に部屋の中に滑り込む。
「きゃっ!?」
急にドアを大きく開けられて、結衣が短い悲鳴を上げた。「・・・もうっ! 急に開けたらビックリする―――あッん」
結衣の抗議を無視して、部屋に入るなり オレは結衣を抱き締めた。
―――今度こそ、「浴衣姿の結衣」とリベンジだ。

オレが川北からやっと解放されて、普通科校舎の方に結衣を迎えに行ったら、結衣はもう制服に着替えていた。
「・・・なんで着替えちゃったの?」
「・・・だって、浴衣で電車乗るの、恥ずかしいもん・・・」
なんだよ。 テコンドーと花火買いに行ったときは、乗ってたくせに。
でも、せっかく仲直り出来たばっかなのにまたケンカしたくないから、オレは黙っていた。
あ〜あ。 せっかく浴衣姿の結衣と・・・って思ってたのに。
クソッ! あそこで川北が邪魔してなけりゃぁ―――ッ!
・・・また来年までガマンするしかないのか・・・
気落ちしたまま、駅に向かって二人で歩いていたら、
「・・・き、今日・・・ 休み?」
と小さい声で結衣が呟く。
「は? 何が?」
と答えてから、「・・・ああ。 コンビニなら、今日も明日もシフト入ってないけど?」
ポケットのケータイを見たら、まだ6時過ぎだった。
「どっか寄ってく? ファミレスとか?」
腹でも減ってるのかと思ってそう聞いたら、
「違う・・・ バイトのことじゃなくて・・・ その・・・」
結衣はちょっと顔を赤くして俯いた。
「え? じゃ、何?」
「・・・陸の、お母さん・・・・・ 仕事休み?」
と、結衣はさっきよりももっと小さい声でそう言って、オレの制服の袖を摘んだ。
「イヤ・・・ 月末だから、土曜も出勤だって言ってたけど・・・」
と言いながら、結衣の言いたいことが分かって来て、「・・・って、もしかして、ウチ来てくれんの?」
結衣が黙って肯く。
マ、マジで―――ッ!?
はやる気持ちを押さえながら、でもソッコーでマンションへの道を急ぐ。
「り、陸? ちょっと、歩くの早・・・」
結衣の抗議を軽く流しながら、やっとマンションに到着。
エントランスのオートロックを開けるとき、鍵を取り出そうとポケットに手を突っ込んだら、
「ん?」
鍵以外のモノに指先が触れた。
なんだろう? と思いながら、手探りで確認する。
こ、コレは―――ッ!!
・・・さっき、屋上で取り上げた結衣のブラジャーだった。
すっかり忘れてた・・・
じゃぁ、ここまで結衣はノーブラで・・・ッ!!
―――なんておいしいシチュエーションをふいにしちゃったんだよっ!? オレはっ!!
電車でも、駅のホームでも、人がいっぱいいるって状況に、ノーブラの結衣が平気でいられたはずがない。
絶対恥ずかしがってたはずなのに・・・ッ!!
クソッ! ・・・見逃した・・・
「陸?」
オレがいつまでも鍵を掴んだまま 自分の迂闊さを呪っていたら、結衣が顔を覗きこんできた。
「イヤ・・・ なんでもね」
ま、いいや。
その分ベッドの上で、結衣の恥ずかしがってる顔、堪能しちゃお。
―――ヤベ・・・ またS入りそ・・・ オレ。
「え・・・ え、と・・・」
部屋に入ったら、結衣は落ち着かない様子でキョロキョロしている。
「結衣・・・」
制服の上着を脱ぐのももどかしく、結衣の肩を抱き寄せる。結衣は慌てて、
「そだっ! お、お腹すかない? なんか、作ろうかっ!?」
と言った。けれどすぐに、「・・・あ、でも、あたし、大した物作れないや・・・」
と俯く。
覚悟を決めて来てくれたくせに、いざとなるとやっぱ怖じ気づくのか、モードを切り替えようと話をそらす結衣。
でも、切り替えきれなくて、逆に落ち込んでる結衣が・・・メチャクチャかわいいっ!
オレは笑いを堪えながら、
「いいよ。腹減ってない。・・・それより、結衣を食べたいな」
「えっ!? あ・・・ んっ」
驚いてオレを見あげた結衣に、そのまま口付ける。
唇を割って舌を差し入れ、結衣の舌を絡め取るようなキスを続けていたら、
「や・・・ん、はぁっ」
と結衣がオレの制服にしがみついてきた。 そのままベッドに押し倒そうとしたとき、結衣のカバンの横に置かれている紙袋が視界に入った。
・・・もしかして、アレは・・・っ!?
「・・・ねぇ、結衣?」
唇を離して結衣に囁きかける。
「・・・え? な、なに?」
結衣は軽く息を弾ませながら、潤んだ目をオレに向けた。オレは紙袋を指差して、
「アレ・・・ もしかして、浴衣?」
結衣もオレの指差す方を見て、
「・・・うん・・・ そうだけど? それが、なに・・・・・・え? まさか・・・」
言いながら、オレの言いたいことが分かったみたいで、結衣はさらに顔を赤くした。
「・・・着て?」
オレがそう言ったら、
「えっ ・・・で、でも・・・」
と結衣は眉を寄せて俯く。
「リベンジ、させてくれるんでしょ?」
オレは結衣の耳元に囁いて、「・・・それに、着替えてくれなかったら、コレ、返さないから」
とポケットからブラジャーを取り出して見せた。
結衣が目を見開く。
「か、返してっ!」
と結衣が手を伸ばす。オレはそれを、結衣の手が届かない高さにまで持ち上げる。
「あ〜あ! ・・・結衣、ノーブラで電車乗って来ちゃって・・・ 誰かに気付かれたら、どーすんの?」
「だ、だって、それは陸がッ!!」
結衣は恥ずかしいような、ちょっと怒ったような顔をしてオレを見上げる。
あ・・・ ダメ。 その顔・・・
オレの中のサディスティックな気持ちが高まってくる。
「帰りも、ノーブラで電車乗るわけ?」
「そ、れはッ ・・・やんっ」
制服の上から、結衣の胸をすくうようにして揉みあげた。
「誘ってるって、思われるかも〜?」
「そんな・・・ あ、あん!」
ブレザーの中に手を差し入れ、今度はシャツの上から胸を包み込む。
「・・・あ、やっぱり、もう、立ってる」
「あんっ! そ、そゆこと・・・言わなッ あ、はぁっ」
そのままシャツ越しに、硬くなった結衣の胸の先端を指で弾く。
「やっ あ、あんっ ちょっ・・・ ま、待って」
「・・・結衣、感度、良すぎ・・・」
片手で結衣の胸に刺激を与えながら、もう片手で結衣のブレザーを脱がす。
刺激を与えてない方の胸の先も、シャツの下からその存在を主張していた。
また、血液が体中を駆け巡る。
ホントはもう、ソッコーでシャツを脱がしたかったんだけど、
「こんな状態で、電車乗れないよね・・・」
と欲望を押さえて、シャツの上から結衣の胸を揉みほぐす。
「や・・・はぁ・・・ か、返し、て・・・」
結衣はそう言うのが精一杯みたいで、ブラジャーをつかんでいるオレの腕にもう手を伸ばせなかった。
S入ったこの状態のまま、結衣を攻める・・・ってのにもかなり引かれたんだけど、
「じゃ、返してあげるから・・・ 浴衣着てくれる?」
と、本来の目的を果たすほうを選ぶ。
結衣はちょっとだけ迷ったような顔をしたあと、
「わ・・・ 分かった、から・・・」
と潤んだままの瞳で、オレを恨めしそうに見上げた。

抱きしめたまま、結衣の後ろ髪を手で梳く。 浴衣の襟から覗く結衣のうなじに、目眩にも似た感覚が襲ってくる。 そこに、噛みつくようなキスを落とす。
「やっん!」
結衣が肩をすくめた。オレはそのまま唇を首筋から耳元に移し、
「浴衣の結衣・・・ 色っぽい」
と耳たぶを甘噛みする。
「う、ウソ・・・ 誰にも、そ、んなことっ あんっ 言われたこと、ない・・・よ」
「・・・いーんだよ。 言われなくて・・・」
結衣はオレだけのものなんだから。
結衣の腰を抱き寄せ、強く唇を合わせる。
「・・・ンッ や、っだ・・・ ちょっ 息・・・」
苦しそうな顔をした結衣を、そのままベッドに押し倒した。
「や、あんっ」
倒れ込んだ拍子に、浴衣の裾と袖がベッドに広がった。
あまりの光景に息が止まる。
なんだ・・・? この感覚。 すげー昔に、こんなことなかったか?
一瞬、昔に想いを巡らす。
・・・ああ。 ガキの頃見た、蝶の標本だ。
まだオレの両親が離婚する前・・・多分小学校低学年の頃、オレはクワガタを買ってもらうために、父親と一緒にデパートに行ったことがあった。
ちょうどベトナムから、アンタエウスオオクワガタっていう世界最大級のクワガタが輸入されてきたときで、デパートのクワガタコーナーは黒山の人だかりだった。
なかなか順番が回ってこなくて退屈し始めたオレは、昆虫コーナーでも比較的人が少なかった蝶の標本コーナーを覗きに行った。
知識として知ってはいたけど、実際に蝶の標本を見たのはそれが生まれて初めてだった。
初めてそれを見たとき、何よりも先に恐怖が体中を駆け巡った。
まるで生きているようなその蝶の羽は、デパートのまぶしすぎる明かりに反射して、青にも紫にも色を変えている。
オレが自分で作った標本じゃないのに、まるで自分が悪いことをしているみたいな気分になり、ワケもなく震えた。
だけど、恐怖を感じたのと同じくらい、興奮している自分にも気が付いた。
普段手が届かないような綺麗な蝶が、自分の手の中にあるということに、征服欲にも似た感覚がオレを襲った。
あれから10年経った今、オレはまたあの時と同じ感覚を味わっていた。
肩を押さえつけたまま結衣のことを見下ろしていたら、
「・・・で、電気消して」
と結衣が消え入りそうな声でそう言った。
こんなに綺麗なのに、電気消したらもったいねぇ・・・
「いやだ」
「ちょっ!? や、やだっ! 絶対電気消してっ ・・・あ、ああん」
結衣の両手を片手で押さえつけて、もう片方の手を胸の合わせから滑り込ませた。
「やっ! あっ ・・・で、電気・・・ んっ」
結衣の抗議を唇でふさぐ。
やわらかい結衣の唇。その唇の端からこぼれる結衣の吐息。
生きている蝶を捕まえた。
「・・・オレ以外の男に、飛んで行くなよ?」
「やぁ・・・は・・・ で、電気消し、て・・・ あんっ!」
強引に浴衣の合わせを広げ、現れたかわいい結衣の胸に唇を落とす。
「あ、はぁっ! あん」
舌先で結衣の胸をくすぐる。もう片方の胸の先も、ちょっと強く摘んだら、
「いやっ! ・・・あぁんっ」
と結衣は背を仰け反らせた。
結衣が身をよじるたびに、どんどん浴衣が乱れて・・・
「結衣・・・ スッゲーエロいよ。 たまんないよ・・・」
ちょっとだけ唇を離して、結衣の表情を窺った。
「や、やだぁっ! もう、電気消してってばっ!」
あ、その顔・・・
―――ダメだ。 またスイッチ入りそう・・・
勉強机・・・って言っても、普段ベンキョーなんかしねーけど・・・の椅子に、結衣が脱いだ制服が綺麗にたたまれてあった。
オレは結衣を押さえつけたままそれに手を伸ばし、制服の一番上に やっぱり綺麗にたたまれてあった結衣のネクタイを手に取った。
「そんなに明かりが気になるなら・・・」
と言いながら、オレは結衣の目をそれでふさいだ。
「やっ!? やだっ!! な、何するのっ!?」
結衣がちょっと怯えた声を出す。
「ホラ。 これでもう、電気消したのと同じでしょ? 真っ暗」
「ちょっ!? 何言ってるのっ!? 全然同じじゃ・・・ あっ、いやんっ!」
結衣の首筋に舌を這わせる。そのまま鎖骨、胸元に下げていく。
「や・・・ あ・・・ り、陸・・・」
まだ肝心なところまで行ってないのに、結衣は唇を震わせた。
目隠しされてるせいで、普段より感覚が鋭くなってんだろうけど・・・
「は・・・あぁ・・・ ね、ねぇ? 陸・・・ これ、解いてよ・・・」
その震えた唇から、上ずった声がこぼれる。
「いいよ、結衣・・・ スッゲそそられる・・・ もっとオレの名前呼んで?」
「もうっ、やだぁっ!! 解いてったらっ!」
結衣が両手を自由にしようともがいた。けど、オレはそれを無視して、胸の先を口に含む。
「ひゃっ! やっ、ああんっ」
結衣の身体が、小さく跳ね上がる。
「・・・結衣、いつもより感じてね?」
「や、あんっ! そんな、ことっ・・・ンッ」
指先で結衣の胸の先端を掠めるように弾きながら、
「だって、いつもよりよがってるよ? ・・・もしかして、こーゆーの、好き?」
「な、何言ってるのっ! そんなことあるわけ・・・な、あ、ああん」
そんなことあるよ。
だって、ホントに結衣、いつもより感度良好だもん。
オレは嬉しくなって、胸を攻めていた唇を、さらに下方に移動させようとした。
―――帯が邪魔だ。
結衣の腕を押さえてるから、なんとか片手で帯を外そうとしたんだけど・・・
どうにも上手くいかない。
やっぱ、両手じゃないとダメか。
「・・・結衣? ちょっと手 離すけど、目隠し解かないでね?」
「や、やだっ! 陸イジワルなことばっかり言うから、解くっ!」
・・・だよな。
オレは結衣の耳元に唇を寄せて、
「・・・もし解いたら、今度は腕も縛っちゃうよ?」
「えっ!?」
「それでもいいなら、どうぞ?」
と言いながら、ゆっくりと結衣の腕から手を離した。
結衣は、ピンで刺された標本の蝶のように、そのままの格好で固まっていた。
「・・・いい子だな〜」
オレは結衣が固まっている間に結衣の背中に腕を回し、なんとか帯を解いた。ついでにショーツも一緒に脱がす。
袖は通したまま合わせを広げたら、浴衣がベッドいっぱいに広がって・・・
ますますあの日見た標本の蝶のようになった。
蝶にピンを刺す。
「やっ! あんっ!」
ヘソを舌先で強く押してみた。
「ちょっ、陸っ! ンッ・・・いやん」
今度は胸の先端に、刺すように指を立てる。 瞬く間に硬く立ち上がってきた。
そこに吸いつき、軽く歯を立てる。
「あ、ああんっ! り、陸・・・や、はぁ・・・」
結衣が探るようにオレの頬を両手で包み込んできた。
切なそうに眉を寄せている結衣。
「ンッ! あ・・・陸・・・」
「・・・好きだよ、結衣・・・ もっとオレの名前呼んで?」
チュッと口付けたあと、頬に添えられていた結衣の手を解き、指を絡めあうようにして手を繋いだ。
「は・・・はぁっ」
顎から首筋に、鎖骨から胸に唇を這わせる。そのたび、結衣の身体が細かく震える。
脇腹やヘソにも移動し舌先でくすぐったら、結衣がかわいい声を上げた。
そのまま唇を下腹部へ・・・
「やっ、だ! り、陸っ! やめてっ!!」
結衣が繋いでいた手を慌てて解き、オレの額に手をあてた。
「・・・なんで?」
「だ、だって・・・ シャ、シャワー・・・」
「ああ・・・」
結衣の言いたいことが分かったから、「別に、気にしないよ」
と言って再び唇を近づけようとしたら、
「あ、あたしが気にするのっ!」
と結衣が泣きそうな声を上げた。「も、もしっ、く、口でしたら、陸のこと、キライになるからっ!」
はっ?
「ほ、ホントだよっ! 絶交だからねっ!?」
絶交って・・・ 小学生のケンカじゃないんだから・・・
思わず笑いがこみ上げる。
「・・・絶交されてもいいって言ったら?」
「えっ・・・?」
結衣が一瞬動きを止める。
「・・・ウソだよ。 キライにならないで?」
そっと下肢の付け根に指を這わせた。
「いやんっ! あ、ああんっ!」
ひときわ大きく結衣の身体が仰け反る。
「すご・・・」
そこに這わせていた指をちょっと離し、「結衣? もう、スッゲー濡れてるよ・・・ ホラ」
濡れた指先で結衣の手に触れた。
「―――ん、もうっ! やめ、てよぉっ! そゆこと・・・あんっ」
「ってか、さ。 やっぱ、結衣、いつもより感じてるって」
と言いながら、再び入り口あたりに指を這わせる。「だって、どんどん・・・」
「ひゃっ や、あ、ああ・・・」
そのまま指を挿し込む。十分すぎるほど潤ってたから、結衣はすんなりオレの指を飲み込んだ。
「すっごく熱い・・・ 結衣の中」
「あ・・・は、はぁ・・・ ちょっ・・・ あんっ」
目隠しをしたままの結衣が、濡れた声を上げながら喉を仰け反らせる。
・・・どうしよう・・・
今すぐ、繋がりたい・・・
「や、はぁっ り、陸っ ちょっと、タイ・・・あ、ああんっ」
ああ・・・ でも、オレまだ服着たままだよ・・・
オレは浴衣の結衣に夢中になりすぎて、自分の服を脱ぐのを忘れていた。
「あ、はん・・・ ちょっ、ホントに・・・待っ・・・あんっ」
何やってんだよ、オレは・・・
とりあえず、下だけでもさっさと脱いで・・・
「り、陸・・・ あ、たしっ・・・ も、ダメ、だよっ あ・・・やんっ」
―――結衣に目隠ししておいて良かった。
こんな間抜けなところ、絶対に見せらんねぇ・・・
服を脱ぐ間 結衣の意識がオレの方に来ないように、指を入れたままその手前の敏感なところにも指を這わせたら、結衣は一瞬身体を強張らせ、
「きゃっ! あ、ああんっ! あ・・・ ん・・・」
と悲鳴を上げて、オレの指を一層強く締め付けた。
「えっ?」
結衣の呼吸がものすごく荒くなっていて、中に入れたままのオレの指を規則正しく締め付ける。
そして、徐々に身体の緊張が解けていく・・・
・・・え? まさか・・・
「・・・もしかして、今、・・・イッた?」
「ッ!? やだっ!」
結衣は、目隠ししたままの顔を両手で覆った。
え? マジで?
「ねぇ・・・」
「し、知らないっ! ・・・もうっ! 陸のせいだからっ!」
結衣は顔を手で覆ったまま、「り、陸がイジワルばっかりするからっ! 目隠しなんか、するから・・・ だから・・・」
結衣の声が、涙声になる。
「結衣?」
オレは慌てて結衣の頬に手を添えた。「ゴメンゴメン! もう、イジワルしないからっ!」
「・・・・・・ホント?」
「ホントだよ」
と言いながら、オレはソッコーで制服を脱ぎ捨てた。
結衣の目隠しを解いてやる。 結衣の潤んだ目がオレを見上げる。
「ゴメンね? ・・・結衣があんまりカワイイから、イジワルしたくなっちゃった」
結衣はオレから視線を外して、
「・・・・・・調子いいコト、言ってるっ!」
と、ちょっと頬を膨らました。
オレはヘッドボードに手を伸ばしながら、
「・・・調子いいついでに、お願いしてもい?」
と結衣の顔を覗きこむ。
「え・・・? なに・・・ あ、やっ! 陸っ!? やんッ」
結衣の胸を片手で包みこんで円を描くように揉み上げながら、取り上げたゴムの袋を歯で噛み切る。 目にも留まらぬ、いつもの早ワザ!
了承も得ずに、下肢の付け根に再度指を這わせる。
「はぁっ! や、やめてっ! ちょっ・・・ あ、ああんっ」
結衣は今イッたばっかで・・・十分濡れてるけど・・・
―――いきなり挿れたら、怒られるよな?
「やっ! ホントにっ 今・・・ダメッ あ、あ、あぁっ!」
でも・・・ マジでオレもバクハツ寸前だよっ!
欲望と戦いながら、指を手前の方に移動させたら、
「あぁッ! いやんっ! んッ・・・」
と結衣がまた悲鳴を上げて身体を震わせた。
・・・え?
「ゆ、結衣・・・?」
驚いて結衣を見つめる。
もしかして・・・
―――また、イッた?
「も・・・ やだぁ・・・ やめてって、言った、のに・・・」
・・・おい―――ッ!!
「ゴメン! 結衣、挿れるよ?」
慌てて結衣の膝を持ち上げる。
「えっ? ・・・あ、あんっ!」
イッたばっかで、敏感になってるのか・・・
いつも以上にオレを締め上げる結衣。
「ちょ・・・っ!? マジ、すげーんだけど・・・」
「や・・・あ、はぁ・・・アンッ!」
結衣の腰を引き寄せ、想いをぶつける。 結衣は何かに耐えるように、目を閉じて眉を寄せていた。
オレが腰を動かすたび、一緒になって結衣と浴衣も揺れるから・・・
―――ホントに蝶が飛んでるみてーだよ・・・
「いやっ! あ、ああんっ! り、陸―――・・・ッ!」
間もなく結衣は、今日3回目の天国に飛んで行った。・・・・・・オレもほぼ同時に。

「・・・結衣ちゃん?」
結衣は頭からすっぽり毛布を被って、オレに背中を向けている。
怒ってる・・・? ん、だよな?
それとも、・・・・・・まさか、泣いてる?
あの後・・・ 結衣が3回天国に行った後から、結衣は一言もオレと口をきいてくれない。
・・・やっぱ、やりすぎたか? 目隠しするなんて・・・
「ゴメン、結衣。 ・・・もう、イジワルしないから」
と結衣の肩に手をかける。「お願いだから、こっち向いて?」
「・・・・・・」
けれど、結衣はこっちを向いてくれない。
オレは小さく溜息をついて、机に置いてある時計を見上げた。
「・・・ね? 結衣? いや、オレはいいんだけどさ・・・」
結衣の頭にかかっている毛布をそっとめくる。「もうすぐ10時になるよ?」
オレがそう言ったら、やっと結衣は身体に毛布を巻きつけたまま、ベッドから身体を起こした。 けど、顔はオレの方を見てくれない。
「結衣?」
「・・・帰る」
「うん・・・」
「・・・下着・・・ 返して」
「うん・・・」
結衣にブラジャーを返す。 結衣はオレと目線も合わさないままそれを受け取った。
「着替えるから・・・ あっち向いてて」
「はい・・・」
言われた通り、結衣に背中を向ける。
―――結衣・・・ すげー怒ってるよ・・・
下手したら、オレと亜矢のことがバレた時より怒ってねーか・・・?
クソ・・・
浴衣を着せるだけでやめときゃ良かったのに、調子に乗って目隠しまでしたから―――・・・ッ!
自分のアホさ加減・・・・・いや、エロさ加減に呆れる・・・
結衣・・・ 今日のコトで懲りて、しばらくヤラせてくんねーかも知んねーな・・・
イヤ? 下手したら、もうずっとさせてくんねーかも・・・っ!?
・・・って、そんなことになったら、オレ狂っちゃうよ―――ッ!!
オレがそんなことを考えながら頭を掻きむしっていたら、
「・・・もう、いいよ。 着替え、終わった・・・」
「え・・・?」
振り向くと、すっかり帰り支度のすんだ結衣が、カバンを肩にかけて立っていた。 手に持っている紙袋には、浴衣がきちんとたたまれて入っている。
「・・・じゃ、帰るね」
結衣はとうとうオレと目を合わせないまま、部屋を出て行こうとする。 オレは慌てて結衣の肩に手をかけた。
「あっ、待って! 送っ・・・」
送って行く、と言おうとしたら、手をかけた結衣の肩が小刻みに震えていた。
「・・・・・・らないで・・・」
「え?」
結衣が、何か呟いた。 けど、小さすぎて、何を言っているのか全然分からなかった。
「え・・・? 何・・・?」
とオレが聞き返すと、やっぱり結衣は小さな声で、
「・・・キライに、ならないで・・・」
え・・・
「―――・・・結衣ッ!?」
慌てて結衣の肩をつかんでオレの方に向かせた。 結衣は目に涙を浮かべて俯いている。
「え・・・ 何? キライって・・・ ちょっと・・・ どーしたの?」
キライにならないでって・・・
無理やり浴衣着せて、しかも目隠しまでさせて、さらに、イッたばっかで嫌がってる結衣に無理やり襲いかかった・・・オレのセリフなんだけど?
って・・・ よく思い返すとオレって、S通り越して鬼畜じゃね・・・?
「あの・・・結衣?」
結衣がなんでそんなことを言い出したのか全く分からなくて、結衣の顔を覗きこむ。
「・・・だって、あたし、今日・・・へ、変だったから」
「変?」
「・・・まだ・・・なのに、何回も・・・ それに、陸だって、そう言ってた・・・」
え・・・?
「い、いつもと違うって・・・ いつもより・・・って・・・」
―――・・・
まだ(挿れてない)のに、何回も(イッた)・・・って言いたいのか?
な、なんで・・・ そんなことで・・・?
結衣は、ますます顔を伏せる。
「あ、あんなの・・・ あんな変なとこ見たら、陸・・・絶対、イヤになる・・・ あたしのこと・・・」
結衣がそう言い終わらないうちに、結衣を抱き締めた。
「え・・・なに? なん、で?」
「・・・こっちのセリフだよ。 なんで、そんなんでキライになれる?」
ちょっと身体を離して結衣を見下ろす。「むしろ、嬉しい!」
「・・・え?」
結衣がちょっと眉を寄せて、オレを見上げる。
「・・・やっと、こっち向いてくれた」
オレは結衣の頬を両手で包み込んだ。
「ゴメンね? 今日は・・・結衣が嫌がるコトいっぱいしちゃって・・・」
「陸・・・」
「嬉しくなっちゃって・・・」
「嬉しい・・・って?」
結衣が、不思議そうにオレを見つめる。
「結衣がオレの手の中で乱れてくのが・・・ ってか、もっと狂わせたい」
もっともっと、オレに狂ってよ?
結衣は恥ずかしそうに頬を赤くした。
ゆっくりと結衣のまぶたに口付ける。 そのまま頬に・・・鼻の頭にもキスを落とす。
「結衣の全部が・・・好きだよ」
「陸・・・」
結衣がオレの背中に腕を回してくる。
そのまま何度も結衣に口付けた。
「・・・ヤベ・・・10時すぎちゃってる・・・」
「ん・・・ 帰るね」
名残惜しいけど、しょうがない。
駅までの道を、手を繋いで歩く。
「でも、やっとリベンジ出来て良かったよ」
「もうっ!」
結衣が軽くオレを睨む。
けど、もう本気で怒ってるようには見えなかったから・・・ オレはまた調子に乗ってしまった。
「って・・・ 実は、まだ、リベンジしたいコトあんだよね」
「・・・え? なに?」
結衣がちょっと眉をひそめる。
「学ラン!」
「は?」
「いや、体育祭の応援合戦のとき、結衣学ラン着てたでしょ? あれ、スッゲーそそられたんだよね」
6月に行われた体育祭で、結衣は応援合戦に出ていた。
そのときに、学ランを着たんだけど・・・ そこから出てた生足が・・・
ストイックさとエロさが絶妙だったんだよな〜
ジュンのせいで思いっきり堪能出来なかったのが心残りだったんだけど・・・
「学ランは、オレの中学んときのがあるから! それ着てさ・・・ あっ! 今度は下に短パンはかなくていいから。 ってかはかないで?」
オレは楽しい妄想にふけりすぎて、結衣の様子に気が付かなかった。
「いつにする? 明日は後夜祭があるからダメだろ〜? って、二人でバックレちゃう? ・・・あたっ!?」
結衣にカバンで思い切り頭を叩かれた。
「もうっっ!! なんでそう、エッチなのっ!? サイッテー! もう陸なんか、キライっ!!」
結衣は顔を真っ赤にして怒っていた。
「えっ? あ・・・ゆ、結衣ちゃんっ!?」
いつの間にか駅前まで出ていた。
「じゃ、帰るからっ! バイバイっ!!」
「あ・・・ 結衣っ!」
あっという間に、結衣は改札の中に消えて行った―――・・・

また調子に乗りすぎてしまった・・・
・・・明日ってのが、急すぎたか?
じゃ、・・・バレンタインとか? ・・・イヤ、それまで待てねぇ・・・
そだ! クリスマスだ!!
・・・クリプレに、学ラン姿の結衣をもらお! 決まり!!

―――って、凝りねーな・・・ オレも・・・


おわり


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